JAバンク山梨(農協)で『イデコ(iDeCo)』を始めてもよいのか?

イデコ(iDeCo)で投資をする事が出来る金融機関って色々あるけど「JAバンク(農協)で始めても大丈夫かな?」と思っていませんか?

JAバンクの窓口に行ったら、イデコ(iDeCo)というのを勧められたけど、これって大丈夫なの?
どんな仕組みなの?他の所と比べた方がいいの?

この記事では、このような疑問をお持ちの方の為に、JAバンクがイデコ(iDeCo)用に取り揃えている投資商品を具体的に解説していきます。つみたて投資で老後資金を作るアドバイスを専門にしているファイナンシャルプランナーの立場から、商品ラインナップの充実度や、イデコ(iDeCo)の選択肢として検討に値するのかを分析しました。

この記事を読むことで、老後資金を用意するために、JAバンク山梨で『イデコ(iDeCo)』を始めてもよいのか?または、JAバンク以外にも有利な選択肢はあるのか?ということがわかるはずです。

ファイナンシャルプランナーから見た結論をお伝えします!

JAバンクでイデコを始めてもよいのか?という点について、先にファイナンシャルプランナーの視点からお伝えします。「実は手数料を比較しても、商品を比較してもあまりお勧めしません。」というのが結論です。なぜか?それを詳しく見ていきたいと思います。

JAバンクのイデコの手数料を確認しましょう!

イデコを始める時には最初の手数料、イデコで掛け金を出して運用している時には月々の手数料がかかります。

まず、イデコを始めるには、加入する際の手数料が掛かります。加入手数料は2,829円で、支払先は国民年金基金連合会です。この手数料はどの金融機関でもかかります。

また、継続的にかかる手数料もあります。これらは、掛け金を出している人と、出していない人で違いがありますので、比較しながらそれぞれの手数料を見ていきましょう。

事務取扱手数料

これは、掛け金を出す人は1回当たり105円掛かります。掛け金を出していない人は掛かりません。この費用もどの金融機関でも同じ金額がかかります。

事務委託先手数料

これは掛け金を出している人も、出していない人も同じ金額の月額66円かかります。この費用もどの金融機関でも同じ金額がかかります。

運営管理手数料

れは、掛け金を出している人も、出していない人も同じ金額の月額260円かかります。この費用が金融機関毎に違うポイントです。(山梨中央銀行は、掛金を出している人は月額334円、出していない人は月額293円です)

上記から、加入時の手数料2,829円は一回のみの支払いです。月々のランニングコストは、掛け金を出している人は合計月額431円/年間5,172円かかります。掛け金を出していない人は、合計月額326円/年間3,912円かかります。

ここまでお伝えしてきた手数料ですが、実は、選ぶ金融機関によって違いがあります。違いが出るのは運営管理手数料です。インターネット証券のSBI証券や楽天証券では、この手数料を無料としています。

掛金を出している人にとっては年3,120円(260円×12ヶ月)、10年で31,200円もの違いが出てきます。長期のつみたて投資においてはコストの安い物を選ぶという鉄則があります。ここが、どこでイデコを始めるのか選択する大きなポイントとなります。

投資金額(掛金)はいくらから?

イデコの投資金額の最低金額は5,000円となります。この掛金額は、どこでイデコを始めるとしても同じ最低金額になります。いくらまで掛けれるのかは、自営業者・専業主婦・会社員・公務員などの職業や会社の福利厚生によって変わります。

  • 自営業は68,000円まで
  • 会社員は多くの方が23,000円まで
  • 公務員の方は12,000円まで
  • 専業主婦は23,000円まで

JAバンク山梨のイデコ(iDeCo)の商品数は?

投資できる商品数は22種類用意されています。

イデコを活用して老後資金を作るためには,長期的に積立ながら投資先を分散して投資することが重要なポイントです!そのためには一定数の商品の取り揃えが必要になります。

JAバンクのイデコで取り揃えられている商品の数は、22種類用意されています。ただし、分散投資を行う為の商品数的には実質12種類と言えるでしょう。一見取り扱い数で問題のない数のように思えますが、今回も中身を精査することがとても重要です。

JAバンク山梨で取り扱っているイデコの商品一覧

では、取り扱っている商品の一覧を見てみましょう!イデコの商品を投資先別に分類して記載してみます。大きな分類は7つに分けられます。

  • 日本株式
  • 外国株式
  • 日本債券
  • 外国債券
  • リート(不動産向け)
  • バランス型ファンド
  • 定期預金(元本確保型)

では、それぞれの投資先の内容を見ていきましょう!

日本株式

2種類の商品があります。

・OneDC国内株式インデックスファンド

・農林中金<パートナーズ>おおぶねJAPAN(日本選抜)

OneDC国内株式インデックスファンドは、1部上場株式全体の値動きと同じようなリターンを目指す商品です。農林中金<パートナーズ>おおぶねJAPANは、付加価値の高い競争優位性のある企業を選定して、積極的にリスクを取りながら投資資金の増加を目指す商品です。

外国株式

6種類の商品があります。

・たわらノーロード先進国株式<為替ヘッジ有、無し>

・たわらノーロード新興国株式

・農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね

・農林中金<パートナーズ>おおぶねグローバル(長期厳選)

・グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド

たわらノーロード先進国株式<為替ヘッジ有、無し>は、先進国(アメリカやイギリスフランスなど)の株式に投資する商品です。この商品に投資することによって世界の名だたる企業へ投資することができます。たわらノーロード新興国株式は、新興国の株式に投資する商品です。

農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねは、アクティブファンドといい、主にアメリカの株式へ投資を行います。商品名にもあるように厳選した20~30社へ投資しています。農林中金<パートナーズ>おおぶねグローバル(長期厳選)は、アメリカ・ヨーロッパ・日本の株式を投資対象とし、こちらも、20~30社へ厳選した企業へ投資を行っています。

グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンドは、日本・新興国を含む世界中の株式から、最近注目されている持続可能な社会の実現を目指す為の取り組みを行っている企業へ投資する商品です。

日本債券

・たわらノーロード国内債券

たわらノーロード国内債券は、国内の公社債(国や会社)への投資を行う商品です。債券への投資は、満期が来るまでその間は利息を受けとり、満期時には元金が返済される安定した投資商品です。よって、多くのリターンは望めない代わりに、リスクも少ない商品です。

外国債券

・たわらノーロード先進国債券<為替ヘッジ有り・無し>

たわらノーロード先進国債券は、主に日本以外の先進国の債券への投資を行う商品です。リスクやリターンは日本向け債券より高くなります。

リート(不動産向け)

2種類あります。

・たわらノーロード国内リート

・たわらノーロード先進国リート

たわらノーロード国内リートは、本の不動産向けの投資商品です。不動産への投資が金融商品となり上場されています。そこへの投資を行う投資信託です。たわらノーロード先進国リートは、同じように不動産向けでこちらは日本を除く先進国の不動産へ投資する商品になります。

バランス型ファンド

8種類あります。

・たわらノーロード スマートグローバルバランス(安定型)
・たわらノーロード スマートグローバルバランス(安定成長型)
・たわらノーロード スマートグローバルバランス(成長型)
・たわらノーロード スマートグローバルバランス(積極型)

・投資のソムリエ<DC年金>
・投資のソムリエ<DC年金>リスク抑制型

・One国際分散投資戦略ファンド(目標リスク6%)
・One国際分散投資戦略ファンド(目標リスク8%)

たわらノーロード スマートグローバルバランスは、国内外の債券、株式、リート、新興国の株式へ投資を行います。株と債券の割合によってリスクリターンの違った投資内容になっています。投資のソムリエは、投資のソムリエは、8資産ファンドの様に分散投資を行いますが、価格の変動を4%程に抑えながら投資を行う商品です。OOショックのような時には素早く投資商品を売却して現金化します。リスク抑制型は更に価格変動を2%程に抑えながら投資を行う商品です。One国際分散投資戦略ファンドは、投資のソムリエの様に価格の変動を6~8%程に抑えながら投資を行う商品です。

元本確保型商品

・みずほDC定期預金(1年)

JAバンク山梨の商品でいいのか?

ここまで、JAバンクのイデコの商品ラインナップを見てきました。分散投資を行う為に必要なラインナップは一通り揃えられており、世界中の株式に分散投資をしたいとすると、先進国や新興国のインデックス商品もありますし、債券も日本向けや先進国向けのものも有ります。あとはコストの比較が重要になってきます。

1つ例を取って見てみましょう。先進国・新興国・日本国内株式合わせて世界中の株式へ投資したいとします。そうした時には、たわらノーロード先進国株式・新興国株式、OneDC国内株式インデックスファンドへ投資する必要があります。配分割合なども自分で決めなくてはなりません。信託報酬(保有しているときに掛かる経費)も0.1%,0.22%、0.154%と様々です。

では、インターネット証券のSBI証券を見てみます。全世界の株式へ投資するファンドでSBI・全世界株式インデックス・ファンド が用意されています。この商品の信託報酬は0.11%です。

この様に全世界の株式に投資しようとした時に、商品選択の手間や、コスト両方を比べた時には圧倒的にインターネット証券の方が有利な結果となっています。

長期のつみたて・分散投資においては、同じような投資対象の商品では当然コストの低い方を選んで投資することが重要です。何年にも渡って高いコストを支払う必要はありません。

また、先述しました、掛金を拠出している間の掛かる経費の事ですが再度お伝えします。「JAバンク山梨は月々のランニングコストは、掛け金を出している人は合計431円/年間5,172円かかります。」とお伝えしました。

この掛かる経費ですが、インターネット証券では多くの所では月額合計171円/年間2,052円で済みます。違いは金融機関が取得する運営管理手数料です。インターネット証券はこの部分が0円、山梨信用金庫は260円毎月かかります。260円×12か月=3,120円毎年多く引かれていることになります。10年で31,200円です。この違いも非常に大きく影響してきます。

まとめ

ここまで、商品の取り揃えや掛かる経費についても比べてみました。商品数があっても分散投資するためには実際の商品数が少なかったり、商品を比較すると信託報酬というコストが高かったりすることがお分かりいただけたと思います。

「対面で相談しながらイデコを始められる、相談できる」という安心感が、対面式の金融機関の方があると思う方もいます。

しかし、これも実は間違いです。金融機関の窓口の方は投資のプロではなく、投資商品の販売のプロなのです。ですから、窓口で相談できるから安心ということはありません。

いろいろな手続きは自分で行う必要がありますが、イデコを始めるなら、インターネット証券がもっとも良い選択肢だと思います。長期的に投資を行い、老後資金を作るイデコという制度を、よりよい金融機関を選択して出来るだけ早く始めましょう。

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瀧澤宏行
山梨でつみたて投資に一番詳しいファイナンシャルプランナーとして、「つみたて投資で資産を10年後に2倍にする3つのポイント」をお伝えしている。主に30代~40代のこれから老後の資産の形成を始めようとしている女性向けに、資産運用の始め方や、運用の方法をアドバイス。ファイナンシャルプランナーとして10年の相談実績と、10年の投資経験を活かしてアドバイスをしている。

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